部屋探しをしているとたまに「おっ!これは掘り出し物かも!?」というような格安物件に出くわすことがあります。なかでもありがちなのが「定期借家契約」という物件です。内容をよく理解したうえで借りるのであれば何ら問題ありませんが、知らずに契約してしまうとあとで面倒な目に遭ってしまうかもしれません。部屋探しをする前に「定期借家契約」がどんなものなのか、よく理解しておきましょう。
定期借家契約ってどんな契約?
築浅で広いのに家賃が安い物件が見つかった!しかも事故物件じゃない!部屋探しをしている時にそんな物件に出会ったら即契約したくなってしまいますよね。
しかしハンコを押す前に特約事項をチェックしてみましょう。
そこに「〇年間の定期借家契約」と書かれていたらアウトです。
定期借家契約というのは、簡単に言えば期間限定の賃貸借契約のことです。
普通、賃貸でアパートやマンションを契約する時には「自動更新」の契約が一般的です。自動更新の契約の場合、契約期間が2年間と決まっていたとしても借り手と大家さんの双方に契約解除の意思がなければ、自動的に契約を更新するというものです。賃貸借契約が自動で更新されるので特に意識することすらないかもしれません。
それに対して「定期借家契約」というのは、契約の時点で契約の終了日が定められている物件のことを言います。仮に2年間の定期借家契約だった場合、契約した日から2年経てばその部屋を退去しなければいけません。つまり定められた期間以上そこに住み続けることができない契約ということです。
まれに「リロケーション物件」というような記載がされていることがありますが、これも定期借家契約の物件と同じように考えておけばOKです。
「定期借家契約」物件の家賃が安い理由
普通にアパートやマンションの経営をしている大家さんであれば、借り手にはできるだけ長く住んでもらった方がありがたいはずです。
それなのになぜ「定期借家契約」で借り手を募集するのか。
それにはいろいろな理由がありますが、「転勤の間だけ部屋を賃貸に出したい」というようなサラリーマン大家さんだったり、取り壊しの時期が決まっていてそれまでの間だけ期間限定で賃貸に出したいというような大家さんが、「定期借家契約」を利用して借り手の募集をするケースが多いようです。ですので分譲マンションの一室を賃貸で貸す、通称=分譲貸しの物件などではこの「定期借家契約」がよく使われています。
定期借家契約では契約期間が終了したら速やかに退去してもらわなければならないため、一般的な契約の物件に比べて格安で募集されているというわけなのです。
こんな人なら定期借家契約もアリかも?
例えば大学への進学で4年間住む場所を探しているという人の前に「4年間の定期借家契約」の物件が出てきたら全然OKですよね。このように、退去するタイミングがピッタリ合うのであれば定期借家契約の物件に引越しをするのもアリではないでしょうか。
ただし定期借家契約は基本的に契約の更新ができません。
仮に留年してしまったりしたら、もう一年学校に通うためにまた部屋探しをしなくてはいけなくなります。
定期借家契約の特に気を付けたいポイント
定期借家契約では契約の期限が決められているということ以外にもいくつか注意しておかなくてはいけないポイントがあります。
それが「途中解約」です。
普通の契約であれば引越しをしたいタイミングで解約の申し入れをすれば契約を解除することができます。
しかし定期借家契約の場合は、病気や親の介護などのどうしようもない理由がない限り途中解約の申し入れができない仕組みになっています。(途中解約が認められることもある)その場合、残りの契約期間分の家賃を請求されてしまう可能性も十分に考えられます。
定期借家契約は格安で借りられる分、そういったデメリットがあるということも十分に理解しておかなくてはいけませんね。
契約内容は事前に細かくチェックするようにしましょう!
「定期借家契約」がどんなものかわかりましたか?
賃貸情報誌や賃貸情報サイトで部屋探しをする場合でも、定期借家契約の場合は備考欄や特約事項の欄に記載されています。
家賃の安い物件を見つけても落ち着いて内容をチェックするようにしましょう!